金の概要
ほとんどの金属は白か灰色ですが、金と銅には色があり、そして金は、純粋の状態ではほとんどの物質に反応しないので、空気中でも水中でも変化せず、錆びることもありません。
金が装飾品として使われ始めたのは、この不変性が大きな魅力だったからでしょう。
純粋の金は非常に軟らかく、延びやすく、純金1gを金箔に打ち延ばすと約3000mにも延び、向こうが透けて見える程薄くなります。
金が発見されてから約7千年といわれます。
これまでに採掘された金は、だいたいオリンピック・プール2杯分の12万t。残りは推定5万tで、あとプール1杯分しか地中に眠っていないそうです。
日本は大航海時代、ヨーロッパ人に黄金の国ジパングとして紹介されたほど金が採れ、各地の武将達は、金山の所有を争って内戦に明け暮れていたのも一面の事実ですが、現在はほとんど掘り尽くされ、現在の主な産地は南ア、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルといった地域になっています。
先に、純金は安定で色が変化しないと申しましたが、合金であるK18/K14/K10などは、シルバー製品程ではないにせよ、全て変色します。これは、合金されている銀や銅が空気中の硫黄等に反応するためで、温泉にジュエリーを着けたまま入ればテキメンです。何気なく使っている化粧品にも硫黄が含まれるものもあり、茶色っぽくなってしまいます。
また、ジュエリーが身につけるものですから、身体の脂肪や汗、石鹸カスなどで次第に曇って来ます。これらは、重曹をまぶした古歯ブラシで軽くこすれば、ほとんど元に戻ります。ただし、固い歯ブラシは逆に傷をつけてしまいますので、なるべく柔らかいもの、ナイロン製ではなく獣毛の歯ブラシが望ましいでしょう。
金の純度
金の場合だけ、純度(=品位)は、24分比で表示されることが多く、K24は24/24、つまり100%(厳密には99.99%:four-nine)の純金です。
Kは(karat【米】/carat【英】)は“カラット”と読み、金の純度を表す世界共通の単位で、ktとも表記されます。
宝石の重さの単位も、同じカラットと読みますが、こちらの表記はct(carat)、1ctは0.2gを指し、Kとは別物です
また金の品位表示は他にも、
日本の造幣局の検定や、ISO(国際標準規格)やJIS(日本工業規格)、ヨーロッパの一部では1000分率表示(パーミル:‰)が使われており、K18は750(Au750)と表示されますが、同じ意味です。
日本のジュエリー業界で慣習的に使われている金の品位には次の12種類があります。
K24(100.0%)
K23(95.8%)
K22(91.6%)
K20(83.5%)
K18(75.0%)
K16(66.7%)
K15(62.5%)
K14(58.5%)
K12(50.0%)
K10(41.7%)
K9(37.5%)
K8(33.3%)
しかし、貴金属の真贋の見極めは、目で判断するのは難しいことです。この為、日本の造幣局は品位証明を行って、合格品には刻印(ホール・マーク)を打つことができます。ただし、造幣局の基準は細かな規定が大変に厳しく、一般のジュエリーにホールマークは打つことは事実上不可能になっています。
日本の造幣局が品位証明を出す物は以下の9種類です。
K24(100.0%)
K22(91.6%)
K20(83.5%)
K18(75.0%)
K15(62.5%)
K14(58.5%)
K12(50.0%)
K10(41.7%)
K9(37.5%)
しかし、国際標準規格ISO9202と日本工業規格JIS H6309で認定されている品位は下記の4種類だけです。
K22(91.6%)
K18(75.0%)
K14(58.5%)
K9(37.5%)
一般に、高純度の金属の方が良質のジュエリーであると思われがちですが、実はジュエリーにする時には、
高純度の金属が良いとばかりは言えないのです。
金属は、合金することによって、単一金属では得られない優れた特性を創出できます。バネや針、留め金には硬さや強度が必要不可欠です。柔らかい貴金属ではその機能を果たすことができませんし、宝石を留める爪が柔らかいと、宝石をしっかり支えることができないので、石を落とす原因にもなります。又、細い腺や細かな細工のジュエリーでは、高品位の貴金属では常に破損と隣り合わせで身に付けなければならないでしょう。
ですからジュエリーに使う貴金属は、他の金属と混ぜて硬くして、耐久性を高めることは合理的な事なのです。このような混ぜる金属の事を割金といいます。
一般に、日本とイタリアはK18が多く、アメリカではK14、イギリスはK9が使われることが多いと聞きます。
割金のこと
金に合金する代表的な割金は、銀、銅、パラジウム、ニッケル、亜鉛など、
K18は18/24ですから金が75%、残り6/24(25%)は割金
K14では14/24ですから(58.5%)金、10/24(41.5%)が割金
K10では10/24(41.5%)金、14/24(58.5%)が割金
右記がその一覧です。
銅は固い金属なので、多量に混ざっている方がキズには強く、
金の品位を下げた方が、ジュエリーの美しさをより持続できるとも言えます。
また、安価なニッケルはアレルギーを起こす人が多く現在ではあまり使用されなくなりましたが、一部の安売り商品にはまだ使用されているとも聞き及びます。金属アレルギーと思っていらっしゃる方は、ぜひニッケル合金を避ける必要があるとお考え下さい。
イエローゴールド
金を合金するもう一つの大きな目的は、
「色を変える」
ことです。
プラチナや銀の場合は合金してもあまり色は変わりませんが、金は加える金属の種類と割合によって、色が大きく変わります。
そうして生まれたのが、
イエローゴールド
ホワイトゴールド
ピンクゴールド
グリーンゴールド
などです。
イエローゴールドは、最も一般的な金色ですが、割金の比率で3種類に分けられます。
銀と銅が同量=5対5の混ぜ方をゴーゴーといいます。
銀と銅が4対6で混ぜるとシブロクとなり、少し赤みが強く出ますし、
銀と銅が6対4で混ぜるとロクヨンとなり、少し青味が勝った色になります。
ホワイト・コールド(WG)
ホワイト・コールド(WG)というのは、金にパラジウム、ニッケル、銀等を混ぜて白色を作ります。
White Goldを和訳すれば白金になりますが、
日本語で白金(はっきん)はプラチナを指してしまい、別物。
ですから、ホワイトゴールドは訳さずにそのまま使わなければなりません。大変紛らわしくて、誤解を生じやすい言葉が定着してしまい困った事です。
金に合金して作ったホワイトゴールドは、銀やプラチナの様には白くなりませんので、ごく僅かな例外を除いてホワイトゴールドにはプラチナ族のロジウムでコーティングを施しています。
ホワイトゴールドの割金に使われるニッケルは、先にも述べた通り、アレルギーを引き起こし易い金属です。貴金属であるパラジウムに比べてニッケルははるかに安価で、製品コストを下げる為に使われる場合がありますので、ホワイトゴールドをお求めの際は、ニッケルが使われているかいないか、よくお確かめになる事をお勧めします。
近頃では、ホワイトゴールドの地の色そのまま出してグレーゴールド、とかシャンパンゴールドと言う場合もあります。
ピンクゴールド(PG)
ピンクゴールドPGは割金に銅を多め使用して赤味を強め、パラジウム等の白系金属で薄めて作られます。
銅はとても硬い金属ですので、ピンクゴールドは非常に固く強い金属で加工は困難です。
グリーンゴールドは、逆に銅を減らして銀を多く混ぜたものをいいます。
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